まだ赤ちゃんが生まれたばかりのママは、「赤ちゃんが元気にすくすく健康に育ちますように」と願うことはあっても、「赤ちゃんが長生きしますように」と願う人は少ないかと思います。しかし、出産を経験したママなら出産はママも赤ちゃんも命がけ、という事は知っているかと思います。お参りなどで願い事にはしなくても、ママは赤ちゃんに長生きして欲しい、と当たり前のように思っていますよね。その想いは今の時代も昔も変わりません。お食い初めでは「一生食べ物に困りませんように」とお子様の将来を願う行事です。本記事ではお食い初めの梅干しと長生きについてご紹介いたします。
お食い初めは赤ちゃんが生まれてから3ヶ月前後・生後100日位の赤ちゃんに「一生食べ物に困りませんように」と願いをこめて大人がご飯を食べさせる真似をする儀式で、赤ちゃんが生後100日を無事に迎えられた事をお祝いする行事でもあります。以下に詳しく儀式当日の流れや準備が必要なものを記載していきますので参考にしてみてください。
お食い初めは赤ちゃんの生後100日を祝う伝統行事のことです。お祝い当日は赤ちゃんに料理を食べさせる真似をしてから、歯固めの儀式を行います。歯固めの儀では赤ちゃんの歯が丈夫で健康に生えてくるように、歯固めの石に箸を当ててから、赤ちゃんの歯茎に軽く触れさせます。
お食い初めでは豪華な料理を用意しますが、昔から伝わる一汁三菜で構成したメニューのものを用意します。一般的に赤飯、焼き魚、煮物、汁物、香の物を準備するとされています。焼き魚には、お祝いの際の王道メニューである、尾頭付きの鯛を用意する事が多く、煮物には縁起をかついだ食材や、旬の食材が使われ各家庭で様々な煮物が作られます。汁物には貝類の吸い物が用意されることが多いようです。その食事の他に、歯固めに使用する歯固めの石も忘れずに用意しましょう。この小石はお宮参りをした神社でもらうことが多いですが、必ず貰える訳ではありませんので注意しましょう。自宅やおじいちゃんおばあちゃんのお家でやる場合には準備が何かといろいろあり大変になってしまいますが、お店でお食い初めが出来るところもありますので、探して気になる点があったら直接店舗へ連絡してみてもいいでしょう。個室があったり、歯固め石まで全て揃っていたりするので、費用はかかってしまいますが、事前の準備にかかる時間は少ないでしょう。お店まで出向くのが難しい場合には、仕出しのサービスや通販でのお食い初めセットを注文するのもいいでしょう。食事の準備が済んで、余裕のある方は赤ちゃんのお洋服やお部屋の飾りに使用するものを準備してみるのもいいでしょう。
お食い初めの調べ物をしていて、お祝い膳の写真に梅干しがのっているのを見た事がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。ではお食い初めと梅干がどのように関係してくるのか、説明致します。
お食い初めの儀式の後にする歯固めの儀式の際には、地域によって歯固め石を使わずに行うことがあります。理由は様々ですが、歯固め石を用意できなかった場合や地域の伝統で歯固め石を使わない場合があります。そういった場合には代用品を使用して歯固めの儀式を行います。その主な代用品の例として梅干し、タコ、アワビ、紅白餅、栗の実、碁石などがあります。この代用品のそれぞれにも意味が込められているので、自分のお母さん・お父さんに自分の時は何を使ってやったか聞いてみたら面白いかもしれません。
歯固めの石の替わりの梅干しは、長寿を象徴する縁起物のひとつとされています。冬の厳しい寒さの終わり頃に咲き始める梅の花が、生命力の強さを感じさせることが由来とされている事や、「1日1粒で医者いらず」と言われ、梅の実は健康に良い食品としても知られている事などから、長寿を表す縁起物になったようです。その他にもお食い初めの梅干しには「しわしわになるまで長生きできるように」という意味が込められていて、梅干しの表面にあるしわとかけています。
栄養のある食べ物が少なかった昔は、乳幼児の死亡率が高かったために赤ちゃんの長生きを願って、儀式に梅干しを使った、という説もあるようです。
基本的には一般的なお食い初めの儀式とやり方は同じで、工程が増えたりはしません。歯固めの儀式に使用する小石のかわりとして梅干しを使用したり、小石の用意が出来ている方でも、縁起を担いで梅干しも用意して両方使用する方もいらっしゃいます。食材により、様々な縁起ものがありますが、実際に自分で調べなかったら知らない事がたくさんあり勉強になりますよね。
梅干しの置き場所は基本的には歯固め石と同じ所になりますので、お膳の中の「腰高」に置きます。腰高とは、一般的なお食い初めで歯固めの石をのせる食器のことを言います。そこに梅干しを置き、小石がある場合には歯固めの石と梅干しを両方のせることもあります。
赤ちゃんの口元に料理を近づけ、ご飯を食べさせるような真似をします。お食い初めではご飯、お吸い物、ご飯、魚、ご飯、お吸い物という順番で行い、同じ工程を3回繰り返します。赤ちゃんによっては、本当にご飯を食べたそうに大きな口を開ける赤ちゃんや、よだれがたくさん出てくる赤ちゃんもいるそうで、少し先の離乳食が楽しみ、というママやパパの声もあります。その瞬間を写真に残せると、赤ちゃんが大きくなってから、「この時から食いしんぼうだったんだよ」なんて会話が出来るかもしれませんね。
食べさせる真似が一通り終わりましたら、梅干しに箸を当ててから、赤ちゃんの歯茎に軽くつけます。その時に「丈夫な歯が生えますように」と願いを込めて行いましょう。梅干しや小石を直接赤ちゃんの口元へ近づけてしまうと誤飲の可能性もありますので、注意しましょう。
梅干しは昔から日本人の食卓にあり、馴染み深い食品です。長期保存も出来ますし、梅干しが嫌いでなければお家の冷蔵庫の中にあるのではないでしょうか?都合がつかずお宮参りができていなくて歯固め石を持ってなかったり、お宮参りはしたけど小石を貰わなかった、なんて場合には梅干しやタコなど別のもので代用しましょう。お食い初めの儀式が終わった後の料理は家族みんなで食べますので、梅干しを使用した場合にはその時に一緒に食べたり、翌日の朝ごはんに食べたりしましょう。
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